「共鳴する」神経細胞 ミラーニューロン

先週、中3生・高2生は研修旅行でしたね。中3、高2の皆さんどうでしたか?普段のサレジオという場所、授業という時間とは違った環境の中色々な学び、思い出を体験できたのではないでしょうか。

 

「寝食を共にするのは特別だよな」とよく言いますが、研修旅行を終えた今なんとなくそれまでとは違う自分がいると感じていませんか。他の学年の諸君も何となく「そうだよなぁ」と思えるのではないでしょうか。自分の体験と他の人の体験は違ったものであるはずなのに何となく共有しているなぁと感じているのはなぜでしょうか。

 

原爆資料館や、ひめゆり平和祈念資料館に行って、戦争の悲惨さという抽象的な印象ではなく、そこに生き、そして命を落とした人々の苦しみが自分の中に飛び込んできて自分の心が痛くなってきたのはなぜでしょうか。

 

ある実験によるとその理由は脳のニューロンの働きにあるというのです。話の展開が唐突に響くかもしれませんが、しばらくお付き合いを。このニューロンのおかげで、他の人の体験や気持ちを自分のものとして共有できるのだそうです。

 

スポーツが上手になりたければ、上手い人の動きを真似するといいとよく言われます。これにもニューロンが関係していて、相手の動きをじっくりと観察する時、脳内ではあたかも自分が動いているかのように脳の神経細胞の特別の場所が活性化しているそうです。

 

目の前で起きていることが脳内で実際に起きている、他の人の行為を見ている人の脳内で鏡に映し出されているように同じパターンで活性化しているように見えることから、この現象はミラーニューロンと呼ばれるようになりました。つまり「ミラーニューロン」とは目にした行為をあたかも自身の経験であるかのように「共鳴する」神経細胞と言えるでしょう。

 

私たちは場所と時を共有し一つになります。中3、高2の諸君にとって研修旅行は「共鳴」する貴重な体験だったでしょう。

 

次は体育祭ですね。体育祭も「共鳴の時」です。自分の笑顔、必死になる姿は、必ず隣の人に笑顔と感動を届けます。私たち一人ひとりにはミラーニューロンが備わっているのですから。

 

「感動の共鳴」の中で私たちサレジアン一人ひとりが成長していけますように。