今日は「謙虚さ」という言葉の意味を考えてみたいと思います。
「謙虚さ」とは?皆さんはどう定義しますか?辞書には「ひかえめでつつましやかなさま。自分の能力・地位などにおごることなく、素直な態度で人に接するさま。」などとあります。「あの人は謙虚だ」というと人間ができた人への褒め言葉で、一方自分はそんな域には達しておらず、「上から目線」と「自己卑下」の両極を行ったり来たり . . . 謙虚さを身に付けるのは難しいものです。
実は、最近スポーツ選手の言葉に「謙虚さ」のヒントがあることに気づかされました。
最初は大坂なおみ選手の言葉。「世界で一番の選手と闘っているのだから、謙虚にならなければ、と思いました。」彼女は第2セットあと1ポイントで優勝というところから、クビドバ選手に大逆転をくらいます。メンタル的に追い込まれる中、彼女はこのように気持ちを整理し、第3セット冷静にコートに入り優勝を手にしました。
次はサッカーアジアカップ決勝戦後の日本チームキャプテン吉田選手の言葉です。「イラン戦ですごく良いパフォーマンスを見せて、この流れでいけるであろうという油断や隙みたいなものを自分自身がチームの中で少し感じていたにも関らず、それを律することができずに勝ちに導けなかった。自分の不甲斐なさを感じます。」イラン戦から一転いいところがなくカタールに敗れた後のインタビューでした。
二人の言葉から見えてくるのは、謙虚さとは「うまくいっていても、いっていなくても、一歩引き、俯瞰的に、第三者となって自分自身や状況を見つめる視線」だということです。まさにセルフコントロールそのものです。
「謙虚さ」を身につけたいなら、それを自然に備わっている道徳的な心のあり方と捉えるより、スキルと捉えた方がいいかもしれません。「謙虚さ」がスキル?少し不思議に感じるかもしれません。でも「謙虚さ」をスキルと捉えるなら、しっかり目標を定め、正しい訓練によって身に付けることができるはずです。うまくいっている時も、うまくいっていない時も、冷静に、一歩引き自分を俯瞰できるようセフルコントロールする「謙虚さ」を身につけ、困難な状況でも打開していければと思います。