『聖書、ドン・ボスコ、葉隠』

聖フランシスコ・ザビエルが感銘を受けたと伝えられている聖書のことばをご紹介します。

 

「人が全世界を手に入れたとしても、自らの命を失えば、一体何の益があろうか。(聖書)」

 

この言葉に出会った時、ザビエルは自分の召命について深く考え始めました。この言葉は、勿論「自分が生き延びることを第一に考えろ」と言っているのではありません。ここでいう命とは永遠の命のこと。つまり、自分に与えられている命を活かすか殺すかは、何のために人生の全てをなげうてるか、何のために、あるいは誰のために自らの命を擲てるかに掛かっている…と言っているのです。これは「自分は何者か・何のために生るのか」という召命の根幹にかかわることでもあります。

 

ドン・ボスコはサレジオ会に「善き死の練習」という習慣を遺しています。今日では静修という名で呼ばれていますが、本質的には「良い死を迎えるための備え」です。突然訪れる「死」に直面して慌てふためくのではなく、落ち着いて迎え入れることができるように準備をしておくというプチ終活であり、究極の予防教育です。

 

ドン・ボスコが生まれる100年ほど前、肥前国佐賀鍋島藩でまとめられた武士の心得『葉隠』に、「武士道と云うは死ぬここと見つけたり」という言葉があります。ここでも、命の本当の使い方をわきまえることが求められています。来週の慰霊祭に向けて、命の尊さ・命の活かし方・自分の召命…について、今から考え始めましょう。