感謝する人は感謝しない人に比べて幸せです。ですから、人が「感謝しなさい」「ありがとうと言いなさい」というとき、その人は礼儀を教えているのみならず、幸せになる方法をも教えているのです。今日は、幸せになる方法について考えてみましょう。

 

一つは「感謝できる人になる」ことですが、そもそも、どうしたら感謝ができるのでしょう?まずは、「気づく」ことが大切。気づいていないことに感謝はできません。「子を持って知る親の恩」という言葉がありますが、親の立場に身を置くことで初めて「親が子どものために、どれほど心を割いているか」に気づく…という意味で、これが感謝に繋がる。つまり、人の配慮に気づけば幸せになれるのです。

 

たとえば、回転ずし店のテーブル席に座るとき、パートナーがさり気なく上手に(=寿司がやって来る方向に背を向けて)座ったら、それはあなたへの配慮です。あるいは、席に着く前に利き腕を尋ねて来る人がいたら、それもあなたへの配慮。榎本神父に「座敷だけど大丈夫?」と訊ねるのは、わたしの体形への配慮。それぞれ、何への配慮かが分からなければ感謝もできないし、逆に「なるほど」と思える人は、「自分が大切にされている」と感じることができます。では、両者の違いはどこにあるのか?

 

答えは明快。普段人に配慮しているか否かです。つまり、日頃から人を尊重する人・マナーを守る人・手を差し伸べる人ほど、自分への配慮にも気づき、幸せでいられるのです。こう考えると、これまでどれだけの幸せを取りこぼしてきたか反省しきりですが、今からでも、少しずつでも、気づける人になれるよう努力して行きましょう。手を差し伸べる人になりましょう。