ABC理論というものがあります。例によって超簡単な解釈をすれば「同じ出来事でも考え方によって見え方・行動が変わる」ということ。わざわざ理論づけされなくても、みんな経験しているアレです。しかし、普段意識している人は少ないし、考え方を間違う人は多い。ちょっと例を挙げてみましょう。

 

たとえば以前は、「この厳しい生存競争を勝ち抜いて人生の勝者(=勝ち組)になろう」などという、人々の不安を煽るような宣伝が溢れていました。「勝ち残った者が正義。適者生存という自然の法則がそれを証明している」という考えに裏付けされているようです。引き合いに出された進化論もいい迷惑ですが、同じ進化論を出発点としていても、最近では「自然界が上手に棲み分けや共生を行っているように、わたしたちも人々と折り合いをつけながら、お互いを尊重してみなで繁栄して行こう」といった考え方が主流になりつつあります。両者ともに進化論を利用しながら、導き出される結論は正反対。考え方の違いとも言えますし、姿勢の違いとも言えるでしょう。

 

ところで、近々カト研の『フェアトレード・コーヒー販売』がありますが、売り上げの100%がマラウイの小学校給食になるということは、売れば売るほど(金銭的には)損をするということ。利益追求型の企業や会社が多数存在する中、なぜこのような選択をするのか、どのような思想に基づいているのかをじっくり考えてみましょう。きっとあなたの「幸せに生きる技術」に磨きがかかることでしょう。