「狭き門から入れ」(マタイ7章13節)〜高校卒業式 学校長祝辞より

53期の皆さん、いよいよ卒業式の日を迎えました。この6年間はあっという間だったでしょう。

 

サレジオに入学した日を覚えていますか?それからいろんなことがあったことでしょう。楽しいこと、苦しいこと . . . 笑いあり涙あり。どの出来事もとても一回限りの貴重なものであったでしょう。

 

アルバムの写真を見ながらサレジオでの6年間を思い出してください。一期一会。そこにはいつも仲間がいて、仲間と一緒に成長してきた自分があるのではないでしょうか。

 

中1の最初の頃はサレジオ学院での学校生活ってどんなだ?サレジアンって何だ?わからないことばかりだったと思います。そしてそこからスタートして、みんなは先生や仲間と一緒にサレジアンになりました。

 

そして今日、卒業していきます。卒業式はgraduation と言いますがそれ以外に英語では commencement という言葉もあります。Commencement は「始める」という意味です。卒業は確かに「終わり」ですが同時に「始まり」、皆さんは新しいステージに向かって出発するわけです。より広い世界に飛び立つ時です。

 

この旅立ちの時にみなさんに送る言葉として「狭き門から入れ Enter through the narrow gate!」という言葉を選びました。これは学年主任の先生からのリクエストです!ただ普通の意味でより困難な選択肢を選べ、という意味ではなく、「サレジアンとして狭き門を選べ」という意味です。

 

皆さんはサレジアンです、今。You HAVE BECOME Salesians in these 6 years. サレジオで呼吸し、サレジオで時間と場所を共有した仲間はドンボスコの子供達、サレジオの精神が血となり肉となった兄弟です。

 

皆さんはサレジアンです、これからも。You WILL be Salesians, FOREVER. サレジアンとは6年間のサレジオの期間限定のものではありません。皆さんはこれからもサレジオの精神を生きる使命を持っています。

 

サレジオの精神とは「私の兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、私にしてくれたことだ」というイエス様の招きに従うことです。「最も小さい者」とは弱い人、傷ついた人、病気の人、飢えた人、戦争の犠牲になっている人、差別や偏見の犠牲になっている人です。

 

この人々の声を聞き分け、助けようとすること、それこそが「狭き門」です。みなさんならこれが「狭き門」だと分かるでしょう。イエス様の教えは世間一般に考えられている価値観とは別なものだからです。でも自分の人生の中で大小様々な選択をしなければならい時、この精神をもとに「狭き門」を選んでください。

 

皆さんはサレジアンです、この世界の中で。 You WILL BE Salesians NO MATTER WHERE YOU ARE. サレジアンとして「地の塩、世の光」として世界を導いてください。

 

「狭き門」の向こう側には戦争、貧困、差別に傷ついた世界があり、多くの人々は皆さんを待っています。「狭き門」の向こう側にあるグローバル世界に赴いてください。そしてどうか自分を必要としている人に手を差し伸べてください。

 

皆さんはサレジアンです、常に。You are Salesians, ALWAYS. 近くに来た時にはまたサレジオに寄ってください。サレジオ学院の門は皆さんにいつも開いてます、「狭き門」ではありません。何かいいことがあった時、あるいは辛い時、別に何もなくても、どうぞ遊びに来てください。
卒業おめでとうございます。