今日のテーマは「Open your windows wider! 自分の窓をもっと大きく広げよう」です。窓とは世界と自分をつなげるもの。窓の大きさによって世界の見え方が変わってきますね。今日は二つの窓についてお話しします。まずはメディアという窓。
一つの絵本を紹介します。この絵本はメディアリテラシーの教材で下村健一さんという方の書いた『窓を広げて考えよう』という絵本です。メディアとどう向き合うかを教えています。
下村さんのあげている一つの例は2015年に韓国で発生した伝染病MARSにまつわる報道。韓国ではMARSという新しい伝染病が発生しました。テレビ画面いっぱいにマスクをしている市民の顔が見えます。しかしここで考えてほしいと下村さんは言います。下村さんは実際の罹患率などのデーターを踏まえて実際の街並みは様子は別だったことを指摘します。つまりテレビの画面は全体像を捉えているわけではありません。子供は街の様子の全体を見て印象が変わってきます。メデイアが伝えたことは現実の一部だったわけです。報道には発信者側が伝えたいものがあります。そしてそれを強調するために映像などを選ぶ、あるいは切り取る作業をします。なので1種類の報道しかアクセスしていないとあたかもその報道内容が全てであるように感じてしまうかもしれません。ここから学べることは「報道の向こう側にもっと幅広い現実があるかもしれない。」「別の解釈があるかもしれない」という意識です。報道を鵜呑みにしてしまうのではなく、一つの情報だけでなく、普段から自分でより広い情報を手に入れようと心がけることが大切でしょう。
2つめの窓、世界と繋がるもう一つの窓は「言語」です。皆さんが南米というとサッカーが盛んでキリスト教も伝統的に文化に根付いている国々だと思うでしょう。気候が温暖で陽気な人々が楽しく生活している。南米諸国がキリスト教国であることはサッカー選手がよくグランドに入る時、出る時に十字をきっているシーンからもわかりますね。しかし陽気なキリスト教国だと思っていた南米諸国も実は違った現実を持っています。普段私たちはそのようなことにアクセスできません。日本のなかで南米に関する報道が少ないからです。ならば現地の報道、現地の実際の状況にアクセスするしかない。だとするとスペイン語、あるはポルトガル語が必要になってくるわけです。南米から発信されているFacebookの記事を拾ってみました。現地の報道から見えてくる南米は政情不安、政治的腐敗、貧困、そしてキリスト教への反感です。南米に住んでいる人々の実際の日常生活にはこのような側面もあるわけです。
今日は「もっと窓を広げよう」ということで、報道の向こう側に伝えられていない部分があるのではないかと考えてみる習慣をつけよう、ということ。そして世界にアクセスするために言語を学ぶ必要があるという2つの点についてお話ししました。
最後に。世界のサレジオでは2月に特にこのような南米で仕事をしているサレジオのために祈るように招かれています。エレベーター前に掲示しておきますので皆さん見えください。