「共鳴」の形 マリア様の心にある「おもんぱかる心」

今日5月31日は教会のカレンダーでは「聖母訪問」というお祝い日です。マリア様が親類のエリザベトを訪問したことを思い起こす日です。

 

マリア様の生涯と言えばイエス様が生まれた「クリスマス」、天使のお告げを受けた「受胎告知」が有名ですが、この「聖母訪問」も大きなお祝い日です。実は「受胎告知」と「聖母訪問」は密接な関係にあるのを知っていましたか?

 

聖書では「受胎告知」のシーンで天使ガブリエルがマリア様に「あなたは救い主の母になります」と伝えた時、合わせて「あなたの親類のエリザベトも子どもを宿していてもう6ヶ月です」と言いました。ちなみにエリザベトが生んだ赤ちゃんが後の洗礼者ヨハネです。

 

さてエリザベトが赤ちゃんを産むということを知ったマリア様はお産で大変だろうからと手伝うために出発しました。当時は舗装した道路も車もありません。しかもマリア様の家とエリザベトの家は60キロほども離れており、女性が一人で歩くのはとても危険なことでしたからマリア様もそれなりの覚悟を持っての旅だったでしょう。

  

聖書を読むと「受胎告知」の時、天使ガブリエルはマリア様に「エリザベトを助けてあげなさい」とは一言も言っていないんですね。ただ「エリザベトは妊娠6ヶ月です」と言っただけです。でもマリア様は女性として、あと3ヶ月で出産だろうからエリザベトにはこれから手伝う人が必要だろうと「おもんばかった」わけです。

 

「おもんぱかる」、これが今日のポイントです。「手伝ってください」と頼まれなくても、「この状況ならば助けが必要だろうから手伝おう!」と思うことが「察する」、「おもんぱかる」ことです。「おもんぱかる」、これは別の言葉で言えば「共鳴」ではないでしょうか。言葉がなくても、相手のために自分の心を動かすこと、これが「共鳴」の一つの形だし、サレジオ生活にとっても大切なことだと思います。

 

今日は「おもんぱかる」マリア様の心に「共鳴」の形がある、というお話でした。