「蟻の町のマリア」北原怜子さん

皆さんは北原怜子さんという方の名前を知っていますか?先日フランシスコ教皇様はこの北原怜子さんを「尊者」の位に上げるという宣言をされました。「尊者」とは、ドンボスコやドメニコサビオといった聖人に認定される前の段階の称号です。実はこの北原怜子さんについて中1の宗教の授業の中で勉強しているんですよ。
時代は太平洋戦争直後、現在の東京・隅田公園の一角に職もなく家もなく廃品回収で生計を立てている貧しい人々が集まっていました。コルベ神父とともに日本にやって来たゼノ修道士を介して、北原さんはこの町のことを知り、自らそこに行き、蟻の町の子供たちの身の回りの世話やお勉強の面倒を見ました。彼女自身は大学教授の娘で、恵まれた家庭で育ったということで最初町の人々からは理解されませんでした。しかし献身的に尽くし、一緒に廃品回収を行なった彼女を人々は次第に受け入れ、尊敬するようになりました。残念ながら結核を患っていた北原さんは28才の若さで亡くなりましたが、人々は彼女のことを「蟻の町のマリア」と呼ぶようになりました。
蟻の町のあった場所は現在潮見教会という教会が建っている場所です。今は周りの景色も変わり、教会も立派な建物になっていますが、この教会を訪れるとき、北原怜子さん、そして貧しい人々への奉仕の心を私たちは思い起こすことができます。
さて今週の土曜日1月31日はドンボスコの祝日です。今回横浜教区梅村司教様をお迎えして記念のミサを行います。200年前イタリアで生まれたヨハネ・ボスコもやはり貧しい人々、特に若者の世話を行ないました。私たちもこの精神を大切にしていきたいと思います。