「感謝」の気持ちをどう英語で表現する?

木曜の朝の話では榎本神父が「感謝」というテーマでお話してくれました。確かに「感謝する」気持ちはまっすぐ「あなた」という「人格」、最終的には神様に届けられるものです。引き続き、感謝をテーマに。
  
感謝を表す言葉はどの言語にもあります。英語ではどうでしょうか。 Thank you . I am grateful, I appreciate, などを思い浮かべることでしょう。
  
日本語には奥ゆかしい感謝の言葉がたくさんあります。「先日は大変お世話になりました。」
よく聞きますね。でもこれを英語ではどう表現すればいいでしょうか。
  
「お世話」というとtake care of を思い浮かべるでしょうから、Thank you very much for taking care of me. が最初に出てくるかもしれません。でもfor taking care of meだと何に対して感謝しているか漠然としていて分からないので相手には感謝の気持ちは伝わらないでしょう。ですからfor 以下はtake care of でなく、もう少し具体的に感謝の理由を付け加えたいものです。
  
「いつも大変お世話になっております」こちらの「お世話」は逆に特別なことに対して感謝しているのではなく、挨拶ですから「お会いできて何よりです。今後ともよろしく」、It’s very nice to see you again.となるでしょうか。こちらも take care ofは使いません。
  
相手の重ねての好意に対して、スマートに感謝を表す言葉に「ではお言葉に甘えて」があります。さぁ、これはどう英語に訳しますか?なかなか訳しにくいですね。上智大学の田村智子先生の著書『同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術』という本ではIf you insist, I’ll be happy to.が「お言葉に甘えて」の訳として紹介されています。なるほど。insist 「主張する」すると相手の気分を損ねそうですが、確かに日常生活での insisit は逆に「是非是非」「どうぞお気になさらずに〜」という気持ちを表す人間関係の潤滑油の役割を果たしています。
  
同じ感謝の気持ちでも言語によっていろいろ違いがあることを少し紹介してみました。皆さんも日常使っている感謝の言葉を外国の方に伝えることを想定しながら、自分の感謝の気持ちをより深く考えてみてはいかがでしょうか。