新学年度が始まり、最初の月を終えようとしています。これから大きな連休を迎えて、5月に入っていきます。新しい学年或いは学校生活になれたでしょうか。さて、カトリック教会では、5月を『聖母月』と呼んでいます。『聖母月』の信心は近世からのもので、18世紀のイタリアで盛んとなりました。この信心は教会が公式に定めているわけではありませんが、二つの理由で始まりました。

 

一つはこの5月が、四季折々の中で春の訪れとともに自然界の実りをもっとも感じさせてくれ、また主の復活の喜びと希望に満ちた月なので、聖母マリアにささげようという思いから生まれたということ。もう一つは様々な理由で社会の混乱が続いた時代となり、心が荒れてすさんでしまった人たちが聖母の取次ぎを願って、励ましと慰めを求めて始めたということです。

 

ドン・ボスコとマリア信心との繋がりは、母からの教えにより受け継いでいきました。その影響で、彼の事業の折々に聖母マリアから必要なアドバイスや恩恵を受けてきました。その中で大きな恩恵は、最初のオラトリオ時代に子供のケアをしていた母マルゲリータを失った後の出来事にあります。

 

母が亡くなった時に、ドン・ボスコは「今、私と私の子供達には地上での母親がいません。どうぞ、母として私たちのそばにおいでください」と、聖母の絵の前にひざまずいて祈りました。この時から、子供たちの健康と安心と安全を聖母マリアに委ねたのです。この行為を世界のドン・ボスコの学校は、引き継いでいます。

 

ドン・ボスコの学校の一つであるサレジオ学院は、ドン・ボスコと同じく、ここに集う生徒たちが健やかに安心して安全に過ごせるように、聖母マリアの取次ぎを願って、祈り続けていきます。