明日の日曜日は、教会の暦では「年間最後の主日」で、一般に「王であるキリスト」という名前がついています。この祭日は、1925年ピオ11世教皇の時に制定されました。時代は正にドイツではヒトラー、イタリアではムッソリーニ、ソビエトではスターリンが独裁体制を固めた頃でした。

 

世の終わりを告げるような時代に、この祭日が回勅によって制定されたのは時代の声だったかもしれません。この祭日は、『世の終わりが滅びの時ではなく、神の国の完成の時であること、王であるキリストが再び来てくださる喜びの時であること』を祝います。

 

大陸では不穏な状況にあったかもしれません。誰もが救いを願っていたのかもしれません。ですから、この祭日の次の日曜日から(今年は12月最初の日曜日)から「救いの始まりである降誕祭を待つ季節と言う意味の『待降節』が始まります。

 

その季節が始まることを教会は見える形で表現します。教会の暦は、新しい年に入り、ミサ中の朗読聖書が大きく変わり、更に神父が着る祭服は「緑色」から「紫色」に変わっていきます。祭壇前のろうそくは4本ありますが、最初の1本が灯されます。教会や各家庭では、馬小屋を飾りだし、脇にクリスマスツリーを飾りつけていきます。家族や共同体のためのプレゼントを用意したりしていきます。馬小屋についてはクリスマスの前夜に赤ん坊のイエスを飼い葉桶に入れます。クリスマスツリーの一番上に、ベトレヘムの星を飾ります。

 

サレジオ学院も同じように、見える形で待降節に入ります。2階正面玄関に、これから馬小屋が造られていきます。クリスマス前夜は、終業式後で休暇中ですので、最初から赤ん坊のイエスを入れています。 幸いなことに、今年も伝統として、イエスの誕生劇が上演されます。

 

この新たな季節を通して、神が支配する平和な国が早く来ますように共に祈りましょう。