「投資する」という言葉をよく耳にします。お金が欲しいと思うのは私ばかりではなく,きっと皆さんも同じでしょう。でもお金は使ってはじめてその価値が明らかになるものです。無駄なことに使うことはありませんが,必要ならば惜しむことなく使うことも大切です。使うことによって新しい価値が生まれることがあるからです。
 例えば,企業は利益を得るために,お金を投入して新しい商品やサービスを作り出し,それを消費者に提供することによって利益を回収します。つまり,金を物に変え,物を金に変えるという繰り返しを続けているのです。利益をあげるため,企業はたえず設備投資をくりかえし,人材育成のための投資を惜しまず,販路開拓を期待して海外への投資も惜しみません。投資することが他の企業との競争に打ち勝つ大きな,そして有効な手段なのです。
 人間も同じです。自己投資が自分にとっての利益を得るために,欠かすことのできない手段なのです。企業と違う点は、お金を投資することではありません。皆さんにとっての投資は「学ぶ」ことです。自覚して学ぶことや、与えられた練習や演習を繰り返し行うことによって、私たちの能力が少しずつ蓄えられ成長していきます。さて、あなたはどれだけ自分自身に投資していますか?
ここで得られるもうけはすぐに目には映りませんが,日々蓄えられ,やがて大きなもうけをもたらすでしょう。また,このもうけは増える一方で決して失われることはありません。
今のあなたに掛けられる知的,精神的苦労やそのために費やされる労力や時間は、すべて自己投資だと思って大いに努力してみてください。