摩擦の人間関係~和解の勧め~

中東思想家の五十嵐一(ひとし)さんは『摩擦に立つ文明』の中で、「全て存在するものは摩擦を起こす」と述べています。

 

私達の日常生活では、人の事でムカッとする日が時々あり、人間関係でストレスを感じる日が時々あります。そんな時に、自分はなぜ、このように人間的に小さいのだろうかと悩んでしまい。自己嫌悪に陥ることがあります。しかし、そのように自分を責めなくてもいいのです。「存在するものは、全て摩擦を起こすのだから」と諭してくれています。

 

五十嵐さんは、物理学の摩擦の法則を引用して、人間関係でも言えることとして、3つの法則を上げています。

 

1.摩擦の相互の法則

摩擦を感じる時はお互い様で、自分だけでなく相手も摩擦を感じています。

 

2.摩擦の転移の法則

摩擦は質を変えながら他のものに転移します。人間関係でも「江戸の仇を長崎で討つ」(意外な場所や筋違いの事で、昔の恨みを返すこと)と いうことが起こります。

 

3.摩擦の動と静の法則

忍耐してじっとしている方が、摩擦を大きく感じます。苦しい時は行動に移しましょう。

 

そのようなことを私たちに伝えています。個人、集団、国、単位は様々ですが、みんな文化摩擦を起こして、トラブルが絶えないのです。神が与えた世界と人間に、なぜ摩擦があるのでしょうか。

 

それは、摩擦にも意味があるからだと思います。摩擦が無ければ、自動車を止めることが出来ないし、空気抵抗があって浮力が湧き、飛行機は空を飛ぶことができるのです。摩擦は悪いものとは限りません。新しい可能性を切り開くものです。人間関係の摩擦も、何か大切なものに気づかされたり、新しい生き方のために必要なことなのかもしれません。

 

聖書では、他人との摩擦があって、仲たがいをしているならば、互いに許し合い、和解して、新たな道を歩みなさいと勧めています。

 

今日一日が良い日でありますように。