今日は、かつてビジネスシーンで良く引用されていた有名なサルの実験を紹介しましょう。

 

まず、5匹のサルと「天辺にバナナをくっつけたハシゴ」を檻に入れます。サルたちは当然、バナナを取りにハシゴを登るわけですが、一匹でもハシゴを登ると残りのサルに冷水が浴びせられるようになっています。

  
やがて、誘惑に負けたサルがハシゴを登ろうとすると、他のサルが寄って集ってそのサルを攻撃するようになりました…新しいルールの誕生です。「ハシゴは登るな!登ろうとするヤツには皆で制裁を加えよ!」

 
こうして全てのサルがバナナを諦めた頃、1匹だけサルを入れ替えます。新入りのサルは、すぐバナナめがけてハシゴを登ろうとするわけですが、その度に他のサルたちから袋叩きにされ、やがて理由の分からないまま、新ルールを受け入れます。

  
このようなサルの入れ替えを繰り返していくと、全てのサルがハシゴを登らなくなりました。だれも冷水を浴びた経験がなく、ハシゴを登らない理由が分からないにもかかわらず…。

 

この実験は、「昔からずっとそうだから」に疑問を持とう…という文脈で語られることが多いのですが、皆さんには、サレジオの伝統や校風、色々な行事や活動を行う際の根底にあるものを見つめ直して頂ければ…と考えています。

  
「ここ数年そうだから」といって、本来の姿からズレて来てはいないでしょうか。サレジオ精神の源泉は、イエス・キリストの愛であり、ドン・ボスコの心です。忘れてはいけません。「強く優しい男になる」とか「社会に貢献できる人間になる」とか「奉仕の精神」とか、世間で言われているのと同じように響くかもしれませんが、出発点が全く違うのです。

 

この微妙な線引き、出来ているでしょうか。あるいは、原点に帰って確認してみますか。