アメリカの大統領選において共和党のトランプ氏が勝利しました。今私は、この結果について感想を述べる立場にはありませんが、大統領選における候補者たちの戦い方について一言述べさせていただくとしたら、つまり、あれは…何と言うか、品が無い。

 序盤戦はいいでしょう。各々主張を戦わせ、相手を論破しようと努める。時には言葉尻をとらえて対立候補をこき下ろす場面も見られるでしょうが、主張のぶつけ合いというのは、まあそんなものです。

 しかし、終盤戦に入ると人格攻撃に入り、相手を貶めることに心血を注ぐ。主張のぶつけ合いではなく、ただの足の引っ張り合いで、「人を尊重する」と言う基本的な美徳が全く見受けられない。「目的のためには手段を択ばない」と言う考え方が悪く働いている良い例で、多くの人々が、嫌悪感や違和感を覚えた事でしょう。

 しかし、人は慣れるものですから、何度も同じような光景を目にすると、たとえそれが卑しい行為であったとしても抵抗感が薄れてくるものです。たとえば、国会中継で目にする議員たちの「とても大人とは思えない言動」や、NBAの中継に見る「フリースローを邪魔する観客」。危険球を放ってしまった投手に殴り掛かるバッター。イジリと称して執拗に他人をこき下ろす芸人。

 もし、これらの中ひとつでも「別に気にならない」と感じたとしたら、それは、感覚が狂い始めていると考えていいでしょう。何かに違和感を覚えたら、ふと立ち止まってじっくりと考えて見ましょう。あなたの良心がNOと叫んでいるのかも知れません。