SDG’sがすっかり耳慣れた言葉になっているので、LCALife Cycle Assessment)という言葉も知っている人が多いと思います。ある製品の環境への負荷を測るときに、原材料の採取から製品の廃棄に至るまでのライフサイクル全体を見て、評価しようというものです。

 

たとえば、2019年に自動車メーカーのMazdaが発表した論文によると、近年の日本においてEV車とガソリン車とのCo2排出量を計算すると、走行距離11万~16kmの範囲に於いてのみ、EV車のCo2総排出量が下回る…となっています。なぜそういう計算になるのか、この結論は妥当なのかについては自分で確かめてください。

 

ここで私が言いたいのは、「ライフサイクルの一時期にだけスポットを当て、一喜一憂するのは滑稽だ」ということ。みなさんには、LCAの概念を自分の人生にも当てはめてみて欲しいのです。

 

人生は小さなことの積み重ねですから、昨日今日の失敗にしっかりと目を留めて、より良い未来を目指すことはとても大切ですが、生真面目に一々落ち込んでいたら自信を失ってしまいます。そんな時、自分の人生を長い目で評価しましょう。

 

気持ちが上向くセルフ・ナレーションを紹介しておきましょう。たとえば、「この失敗が大きな飛躍につながることを、本人は未だ知らない…」とか、「やがてこの少年が多くの人々を幸せにすることなど、一体誰が想像し得たであろうか」といった感じ。

 

実際、サレジアンとしての召命を持っているみなさんは、将来、必ず多くの人々を幸せにして行くことになります。何度失敗しても、この召命を諦めたりしないでください。わたしは信じています。