「大切なのは、どれだけ多くのことをしたかではなく、どれだけ心を込めたかです」  マザー・テレサ

 

あるビジネスマンのこと。母親の誕生祝いに花を送ることにしました。贈るではなく送る。というのも、実家は300㎞ほど離れているので、生花の宅配サービスを利用します。カタログを見て花を選び、メッセージも伝え、すっかり注文を終えるとこれで一安心。ところが、車に乗ろうと店を出ると泣いている少女に出会います。訳を尋ねると、お金が足りず母親に贈る花が買えないとのこと。

 

彼が「もし良かったら」と援助を申し入れたので、二人は小さな花束を手に、再び店を出て来ました。帰りのバス代を気遣い、「送ろうか」というと「お願いします」との返事。ところが、少女の案内に従って到着したのは、なんと墓地でした。

 

見るからに新しい墓に花を手向け、しばし祈りをささげると、少女は振り返って「今日が誕生日だったの」とポツリ。衝撃を受けたビジネスマンは、少女を家に送り届けるとすぐに花屋に取って返し、先ほどの注文をキャンセル。花束を一つ見繕ってもらい、再び車に乗り込むと、一路、母親の元へと車を走らせるのでした。

 

多忙な日々を送る中に本当に大切なことを忘れたくなければ、振り返りの時を持ちましょう。また、瞑目の時間を充分に活用しましょう。