榎本神父が、修道会に入る直前にタクシーの運転手をしていたという話、初耳の人が多いでしょうか。

  
色々な乗客がタクシーを利用し、様々な表情を見せてくれる訳ですが、中には犯罪者風の人もいます。人気のない道でタクシーを停め、乗り込んで来るなり「先週、刑務所から出て来たばかりだ」と凄む。台本で練習でもして来たかのような台詞、…やれやれです。その後の細かい遣り取りは、この場に相応しくありませんので、どうしてもという人だけ聴きに来てください。とにかく彼は、私から金銭を「借りる」のを諦め、「もうちょっと頑張ってみる」と言い残して車を降りて行きました。
  

ところで、追い詰められて破滅的な考えを抱くことって、誰にでもありますよね?課題が終わらないときに「隕石が落下して、明日休校になれ!」とか…。そんな時、心の元気を取り戻すためには周囲の配慮が不可欠ですね。悲しみや怒り、苛立ちを受け止めてあげることもそうですが、「もうダメだ」が「まだ大丈夫」に、そして「もう大丈夫」に変わるよう寄り添ってあげる。自分の優しさを役立ててもらう。…スポイト一滴の優しさでも、弱っているときには効くんだな、これが。
  

とはいえ、校長先生がお話しくださった通り、物事に集中していたり気分が高揚していたりすると周囲への配慮が鈍り、優しさが充分に活かされない可能性も出てくる。そこで提案です。サレジオ祭を、より完成度の高いものにするために、お互いへの感謝を表現して見たらどうでしょう。まずは私から。
  

一人の例外もなく、全てのサレジアンと教職員方に、心から感謝します。ありがとうございます!