朝の話|阿部神父

2026年10月02日

ガウディ没後100周年に——時を越える建築家の息遣い

 皆さん、おはようございます。今年は、スペインのカタルーニャ地方の天才建築家アントニ・ガウディがこの世を去ってから100周年にあたります。しかし、彼の作品は、まるで彼が今もどこかで息をしているかのように、世界中の人々を魅了し続けています。

 バルセロナの街に立つと、ガウディの気配は至るところに漂っています。サグラダ・ファミリアの塔は、朝日を浴びると黄金色に輝き、まるで天へ向かって祈りを捧げているかのようです。その内部に足を踏み入れると、光がステンドグラスを通って虹のように広がり、静かな大聖堂が一瞬にして「生き物」のように動き出します。まるで建物そのものが、ガウディの魂を宿しているかのようです。

 ガウディは、建築を「自然の言葉を読み解くこと」だと信じていました。 彼は森の中で木々の枝ぶりを観察し、海岸で波の曲線を眺め、動物の骨の構造に耳を傾けました。自然が語る声を、建築という形に翻訳したのです。だから彼の建物は、奇抜なのではなく「必然」なのです。自然が美しいように、ガウディの建築もまた美しいのです。

 しかし、彼の人生は決して華やかではありませんでした。晩年、ガウディはサグラダ・ファミリアの建設にすべてを捧げ、質素な生活を送り、街の人々からは「変わり者」と呼ばれることもありました。それでも彼は言いました。「私はこの大聖堂を完成させることはできない。しかし、神には時間がある」。その言葉通り、ガウディが関わってから今日に至るまで145年も作業が続き、今もなお、世界中の職人や研究者が彼の夢を受け継いでいます。ガウディの人生は、ひとつの真実を私たちに伝えます。「本当に価値あるものは、時間をかけて育つ」のです。皆さんにも、すぐには形にならない夢や目標があるでしょう。勉強、部活、人間関係、将来の進路、どれも一瞬で完成するものではありません。

 ガウディ没後100周年の今年、彼の建築は、ただの建物ではなく、時間を超えて語り続ける「物語」です。その物語は、私たちにも問いかけます。「あなたは、どんな未来を築こうとしているのでしょうか」と。今日という一日も、皆さんの未来を形づくる大切な一部です。焦らず、丁寧に、自分の夢を信じて歩みましょう。

サグラダ・ファミリア(バルセロナ)/Wikimedia Commons・CC0

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