2025年10月02日
AIの理想的な使い方について
私はこれまでAIを避けていました。人間の優秀さを信頼していたからです。本来は優秀な人間がAIなどに構っている暇などないと考えたのです。AIにデータを打ち込む時点で、打ち込む人の意図が働くので、AIは人間の資質によって左右されるのではないか、と感じていました。結局は人間の資質が重要であり、AIは単なる「道具」でしかないと。
しかし、AIは情報処理の速度が人間よりも優れています。つまり「道具」として非常に優れているAIを無視して、その長所を認めないことは、「道具」を有効に使いきれていない状況であるわけです。そこで、せっかく開発されて進歩し続けるAIを有効に使用するほうが「道具」を無駄にしないで済むと考えました。ところが、どのようにAIを使いこなせばよいのか、まったくわかりませんでした。
こうして様々な手立てを考え、参考書をあさるうちに良質なマニュアルを発見しました。石井力重著、加藤昌治監修『AIを使って考えるための全技術——「最高の発想」を一瞬で生み出す56の技法』(ダイヤモンド社 2025年)という本です。
この本は「創造性」を大事にします。創造性とは「自分の頭で考えること」です。アイデアが何もない状態は「面白さがない状態」です。しかし、ワクワクする面白さがあるときに、すばらしいアイデアがわきます。皆さんも誰かを好きなときに、一生懸命に相手を愉しませようと工夫するはずです。相手に対する愛情があるときに努力してアイデアをひねり出して実現させます。言わば、相手を驚かせるサプライズを準備します。AIは私たちの愛情深い相手想いの気持ちを支えてサプライズを実現させる技術です。その際に私たちには「ゆらぎ」・「情熱」・「やさしさ」が必要となります。規則正しく情報を集めるだけでなく、わざと真逆なものを組み合わせ、普段とずらして楽しむ脱線が「ゆらぎ」です。そして面倒な情報集めを、へこたれずに続けるには「情熱」が必要です。さらに相手を思いやりながら物事を実現させるだけの「やさしさ」が欠かせません。