2025年05月17日

「共同作品?」

 ある人が小学生の頃、休日をまるまる費やしてプラモデル作りに励みましたが、夜までかかっても完成せず、疲れて寝落ちしてしまいました。翌朝目が覚めると、窓から差し込む朝日の中で、完成したプラモデルがキラキラと輝いているではないですか。「え?小人さんが作ってくれたの?といって感謝を…するわけはなく、溢れ出す涙を左手で拭いながら、右手でその完成品を取り上げ、床に叩きつけてしまいました。あと少しで、自分の力で完成できるところだったのに、おそらく勝手に気を利かせた父親が、善意からではあったとしても、苦難を乗り超えてこそ得られる達成感を彼から奪い取ってしまったのです。
 一方、神さまのなさり方は少し違います。神さまから頂く「恵み」というものは決して人間の努力の成果ではなく、まったく無償で与えられるものなのですが、神さまは恵みを敢えて未完成の状態、あとホンの少しで完成できる状態にしてわたしたちに届け、完成させる喜びを残してくださいます。「ホンの少し」といっても人間にとっては物凄い隔たりで、そこを乗り越えていくには一苦労どころではないわけですが、神さまはこの「恵み」というか「救い」を、とにかく神と人との共同作品にしたい…お考えです。ですから、わたしたちが何か困難に直面しているということは、神との共同作品に手が届くところまで来ている…と考えることができます。
 いやいや、そんな楽観的な状況ばかりではないよ…という意見もあるでしょう。しかし、そう考えることで少しでも心に余裕が持てるなら…。試して、決して損はありません。
DSC00838
DSC00841
DSC00839

(写真は体育祭の応援団旗をつくる高1生)