朝の話|鳥越校長
2026年06月23日
AIとの「壁打ち」に必要な「自主的な学び」
先日ある学生とおしゃべりをしていて、話題が「第5人格」というゲームの話になりました。知識ゼロのところから教えてもらったのですが、どうやら対戦型のゲームで、1つのチームはハンターとサバイバーの5人から構成され、ハンターは相手のサバイバーをやっつけ、サバイバーは相手のハンターから逃げる、つまり「鬼ごっこ」だということがやっと分かりました。彼は試合の実況中継の動画を交えて熱く語ってくれたんですが、やってみたい、という気持ちにまではなれませんでした。
その後チャッピーにも聞いてみたんですが、答えは大して変わらないものでした。「えっそれだけ?」って一瞬思ったんですが、そもそも「第五人格って何?」って一言聞かれたら答えはそんなもんですよね。チャッピーが不親切ではなく、自分の知識量と質問のクオリティーが欠けていたわけです。
逆に、AIに、「これをこういう風に考えてはどう?」とか「これと結びつけて考えるとこうならない?」などと自分の考えを交え、質問すると、AIはそれをまとめてくれた上で、その評価や新しい気づきもくれます。これを「AIとの壁打ち」と言います。「壁打ち」とはAIに聞いてアイデア出し、知りたいことを深掘りすることです。
実は、この「壁打ち」が成立するためには、自分の方にも質問できる知識が必要です。私は「源氏物語」にハマっていて、物語論、テキスト分析、言語学、文法論、構造主義哲学、英語訳源氏物語などいろんな領域をクロスさせてチャッピーと壁打ちしています。勿論ただ質問するだけでなく、文献を読み、自分でまとめる作業もします。この往復のプロセスがもうワクワクであっという間に時間は経ってしまいます。
皆さんに伝えたいこと、それはAIに安易に何でも質問するのではなく、まず事前に勉強することが大切だということです。興味ある領域を自分で調べて、ざっくりでもいいので自分の言葉でまとめて表現できるところまでもっていくということ。これがないと「壁打ち」のクオリティを出せません。AI時代であっても、あるいはAI時代だからこそ、自らの学びを自らが引き受け、思考を鍛える地道な努力が必要だということです。
