朝の話|鳥越校長

2026年03月18日

3学期修了式の話

3学期修了式の話より

 まず世界の戦争の犠牲者、特に中東諸国の人々のために。平和を求めて祈りましょう


 さて今年一年を振り返ってみましょう。「希望に向かって『抗え』」をテーマにお話ししてきました。召命の実現は何となく起こるものではないので、やはり意識的に「抗う」ことが必要です。学校の中には「抗う」場面はたくさんあります。勉強、部活、委員会活動。みなさんを見ていて多くの諸君がチャレンジに向き合い、抗ってくれたと感じています。

 勉強面。授業では常に新しい内容や分野が紹介されます。予習、授業、復習、宿題、補習、小テスト、そのようなサイクルをよくこなしていたと思います。成果の背後にはこのようなサイクルがあると思います。みなさんがここにいるということ自体でみなさんが抗った結果を自分で手に入れていると思ってください。

 部活でも練習、練習試合、公式戦、ミーティングのサイクルに時間をかければ必ず高みに向かっていけるはずです。運動系、文化系に関わらずみなさん立派な成績を残してくれました。

 そして体育祭やサレジオ祭、じっくり時間をかけて仲間と共に準備し、当日を迎えるまでのプロセスがあったことと思います。思い通りに行かなかった部分もあるかもしれませんが、達成感もあったかと思います。ルーブリックの数値では成長の跡をみなさんが実感しているように感じました。企画したり、交渉したり、運営したり . . . このようなスキルは大学生、社会人になっても必ず役に立ちます。高校2年生諸君はしっかり伝統を下の学年に伝えてください。PDCAをまわす。それが高校2年の使命です。高校1年生諸君はすでに応援団の練習が始まっており、実質次の体育祭は始動しているようです。ただ単に自己満足に浸るだけではなくいかにみんなを楽しませるかにも心を配ってください。

 サレジオならではのボランティアやチャリティの活動にも参加してくれたジャグリング部、吹奏楽部、ピアノ同好会の諸君、クリスマス街頭募金に参加してくれた諸君、またカトリック研究会の諸君は年間を通してフェアトレードコーヒの販売をしてくれました。ありがとうございました。

 ここで年間を通しての私がみなさんにここでお話しした内容をダイジェストで振り返ってみましょう。いろんな「抗う」場面を紹介してきました。

 1学期始業式では、あらためて自主・自律・能動、そして課題発見・課題解決を促しました。自ら動き出すことです。2024年度のルーブリックの数値を紹介しました。パッシブな価値観を十分に持っている皆さんにポジティブな価値観を高めるよう「抗う」ことを求めました。

 先日2025年度のルーブリックを実施しました。この1年間でみなさんの変化はどうだったでしょうか? 中学生は下がっているようですが、自分に求めているものがより高くなれば達成度は下がることもあります。その中で「異文化に触れようとする」姿勢は成長していますね。ポジティブな側面での成長をうれしく思います。そして高校生、全ての面で成長がみられました! 素晴らしい! よくがんばりました。ルーブリックを通してみなさんの成長が可視化、数値化できます。

 1学期終業式の話は「失敗を乗り越えて!」でした。失敗の向こうには希望の展開があるとお話ししました。失敗も「抗う」ことの結果です。そして失敗があってその向こうに希望が展開していくものです。

 2学期始業式は「読むこと」は「問うこと」。テキストにおける書き手と読み手の対話に焦点を当てました。そしてそこから校則を「読む」、つまり校則との対話を求めました。この1年間校則について「意図は?」「適応場面は?」「時代に合う?」「改善する?」という問いを持ったでしょうか。学校の中には「抗う」題材がたくさん転がっています。アクション起こしましたか? 引き続き「抗ってください!」

 3学期始業式では、ノブレスオブリージュの話をしました。それに基づく他律と自律、規則と規範について考えてもらいました。みなさんの内面の規範性を育てるために「抗う」ことはとても大切なことです。

 また、1月20日の朝の話は携帯使用禁止とマナーについての話をしました。サレジオ学院の「登下校中に携帯を見ない」という校則は、皆さんがサレジオ生である6年間だけに適用されるローカルルールです。しかし規範という視点で見れば、このルールも人生全体にとって意味あるものとすることができます。それは「携帯に集中すると本来見るべきものが見えなくなってしまう。携帯ではなく周りに目を向け、助けを必要としている人に手を差し伸べられるよう自分を整えよう!」ということです。

  Be ready to help others with all your attention.

 では、電車の中で携帯の代わりに見るべきものとは? その一つが「マタニティマーク」です。マタニティマークは、妊娠中や出産前後の女性が身につけ、周囲に配慮をお願いするための印です。もし皆さんが電車の席に座り、携帯に夢中になっていたらどうでしょう。目の前にあるマタニティマークにも気づかず、その方のつらさにも思いが至らない――そんな残念な人になってしまうかもしれません。

  If you see a lady with a maternity badge, please give up your seat to her.

 マタニティマークの向こう側にある、その女性の大変さや不安を想像できるフェミ男子になってください。朝の通勤時間帯の電車は、圧倒的に男性が多い空間です。その中で女性は少数派であり、とても居心地の悪い思いをしていることが少なくありません。ぎゅうぎゅう詰めの電車の中にいる女性の気持ちを少し想像してみてください。その想像力こそが、規範意識であり、かっこいサレジアンに大切な力なのです。

 誰からも言われずに、誰にも見られていなくても、自らの規範意識に基づいて生きていけるそんなかっこいいサレジアンになってください。来年度も引き続き頑張っていきましょう。

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