『チャリティとフィランソロピー』

前回は本校のフェアトレード活動から視点を広げフィランソロピー協会についてお話ししました。皆さんはフィランソロピーという言葉聞いたことありますか?私はフィランソロピーという単語は哲学、歴史の分野という印象でしたから、現代の社会問題の文脈で語られているのにとても新鮮に感じました。前にエシカルという単語について話しましたが、それと同じようなものでしょうか。

 

フィランソロピーという単語の意味は何でしょう?フィルとアンソロピーと二つに分けてみるとイメージが湧くでしょう。フィルは「愛する」という意味のギリシャ語です。フィルハーモニーなんてありますね。アンソロピーはギリシャ語の「人間」を意味する言葉を語源に持っています。アンソロポロジー「人類学」なんてあります。つまり「フィル」プラス「アンソロポス」でフィランソロピーは「人を愛する」、ここから「博愛」、「慈善」という意味が出てきます。

 

そもそも朝の話でこのテーマについてお話ししようと思ったきっかけはJ-WaveTokyo Morning Radioという番組でした。その中で「チャリティーは何かイベント的な響きがあるけれど、フィランソロピーは背景となる考え方」と両者が区別されて説明されていましたが、「ん?それはどうな?」と思いました。

 

確かにチャリティーという言葉はチャリティーバザー、チャリティーコンサートなどイベントのタイトルに使われますよね。でもチャリティーの語源はラテン語のカリタス、「神の愛」です。マザーテレサの修道会はMissionaries of Charity、「神の愛の宣教者会」という名前を持っていることが全てを説明しているでしょう。チャリテーとは決してイベントを表す言葉ではないのです。

 

もう少し深掘りしてみましょう。人を愛する時その根底には「神の愛」があります。「神に愛されている私」は「神様に愛されているあなた」を大切にするわけです。キリスト教では神の愛と人への愛は並列関係にあるのではなく、縦の関係。チャリティーが根元にあり、フィランソロピーにその存在意義を与えていると言っていいでしょう。

 

語源を調べるとこんな面白いことも分かってきます。皆さんも英単語を覚える時ついでに単語帳にある語源も欲張って読んでみてください。