朝の話|鳥越校長

2026年07月14日

<AI技術のエコロジーへの影響> AIを考える その4

 今日は「シリーズ AIを考える」第4弾です。

 皆さんはGeminiを授業で活用しています。CSの授業では人工知能の仕組みやその背景についても学んでいます。高校一年生は生成AIが文を生成する際に、数学のベクトルを応用しているということ、高校二年生はAIが手描き文字の読み取りの正答率を上げていくプロセスを体験しました。サレジオ生はすごいですね。

 ところで、日常生活から視野を広げて社会全体へのAIの影響を見るなら、また違った景色も見えてきます。


 教皇レオ14世は公式の手紙『マグニフィカ・フマニタス(偉大なる人類)』で、AI技術が発展する一方、
*社会格差、貧富の差が拡大していること (154)
*テクノロジー関連の企業によって情報が独占されていること (161)
*人々がテクノロジーの奴隷になっていること (172)
*兵器に応用され、人の命が危機に晒されていること (197)

などの弊害を指摘しています。

 また教皇はAIをエコロジーの視点 (84)から語っています。
<環境資源への負荷>
AIを支えるデータセンターでは膨大な電力と冷却水が必要になります。つまり私たちがAIを利用すればするほど、発電によって二酸化炭素が排出され、冷却するために水が消費される、つまり環境への負荷をかけているわけです。(101)。
<貧しい労働者への負荷>
またコンピューターの中には様々な電子部品がはいっていますね。その部品にはレアアースが必要です。そのレアアースは採掘が必要としますが、採掘は厳しい労働環境に置かれた貧しい人々が担っています。レアアースの生産量を増やせば増やすほど、貧しい労働者が健康被害を受けているという現実もあるのです(173)。


 レオ14世はこうした状況を「テクノクラティック・パラダイムの常態化 (113)」と呼びます。


 近い将来、大学入試問題に「AIによって生まれる社会格差は正義を脅かすものか、それとも技術革新のために受け入れるべきものか?」というような小論が出るかもしれませんね。


 AIの利便性だけでなく、その先にいる苦しんでいる人々や地球環境にも目を向けたいものです。

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