朝の話|辻家神父
2026年06月20日
神様の呼びかけに信頼して一歩踏み出す勇気
おはようございます。サレジオ学院のルーブリックの中に、「召命」という項目があります。召命とは、もともと 「呼びかけ」 という意味です。聖書の中で、最初に召命がはっきり描かれるのが、アブラハムの物語です。神様はアブラハムにこう言います。「あなたの生まれ故郷、父の家を離れて、私が示す地に行きなさい。」しかしアブラハムは、その地がどこなのか知りませんでした。旅をしてみなければ分からなかったのです。それでも彼は、神様の呼びかけに信頼し、今までいた安心できる場所を離れて、一歩踏み出しました。これが聖書の語る召命の姿です。
召命というのは、神様が私たちの心を通して語りかけてくださる呼びかけに応えていくことです。たとえば、「新しいことに挑戦したい」、「このままでいいのだろうか」、「誰かのために力になりたい」、そんな思いが、心の奥から湧いてくることがあります。そのような思いを通して、神様が私たちを導いてくださることがあるのです。ドン・ボスコもまた、その呼びかけに応えて、見捨てられた青少年のために生きる道を選びました。
日本人は、外国から伝わった文化や技術を取り入れ、それをより良いものへと発展させることが得意です。これは、「1を100にする力」と言えるでしょう。でも聖書は、それに加えて、「まだ見たことのない世界へ向かって踏み出す勇気」を教えています。アブラハムは、答えが全部見えてから出発したのではありません。神様の呼びかけに信頼して、一歩踏み出したのです。皆さんもこれから、「挑戦してみたい」「何かを変えてみたい」と思うことがあるでしょう。その時、自分の心の奥に響く呼びかけに耳を傾けて、勇気を出して一歩踏み出してほしいと思います。サレジオ学院で聖書やドン・ボスコの生き方に触れている皆さんには、「1を100にする力」 だけでなく、「0から1へ踏み出す勇気」 も育んでいってほしいと思います。
