朝の話|鳥越校長
2026年05月12日
Boys, be ambitious. と「召命」
先月、高校2年生の皆さんと一緒に北海道研修旅行に行きました。第一印象 . . . 「寒い」、細長い日本列島の北に位置する北海道を舐めていました。それはさておき。
今回改めて幕末から明治へと向かう時代の舞台としての北海道を学びました。多くの人々が歴史の渦に巻き込まれ、ある人は命を落とし、またある人は負った傷を生涯抱えたまま生き延びた . . . そんな人々の想いを感じることのできた場所の一つが五稜郭でした。
明治政府は殖産興業、「西洋に追いつけ追い越せ」を合言葉に近代化を推し進め、そのため多くの技術者、教育者を欧米から招聘しました。明治政府の思惑はナショナリズム的近代化だったでしょうが、お雇い外国人教師は強かに根っこにある精神性を日本人に遺そうとしました。その一人がクラーク博士です。彼が札幌農学校に在職したのはわずか8ヶ月、その短い期間の中で彼は何を日本人に伝えたか?それを理解する鍵が彼の信仰、ピューリタンの生き方です。農学校で学んだ新渡戸稲造、内村鑑三といった学生がその後歩んだ道はクラーク博士が残したものの大きさを示しています。
クラーク博士といえば “Boys、be ambitious!”「少年よ、大志を抱け」。日本を去るときに学生に遺した言葉とされています。でも博士はただ “Boys, be ambitious!”と一言言っただけではなく、後ろには結構長い言葉が続きます。どうambitious であるべきかが前置詞 for 以下に列記されています。一つは人として「避けるべきこと」、もう一つは「獲得すべきこと」。単なる別れの言葉というより、彼のピューリタンとしての生き方の総括でもあったのです。
求めるべきは the attainment of all that a man ought to be. 「あるべき自分を余すことなく実現すること」、青春を謳歌し、学業に励む中で最終的には神の下にある人たれ . . . サレジオ的にいえば「召命の完成」とも言えるでしょう。
ですから ambitious を「大志を抱け」という訳してしまうと、かえってクラーク博士の精神性を伝えきれていないのかもしれません。皆さんならfor 以下の部分を踏まえて ambitious をどう訳したら一番ぴったりくると思いますか?
