朝の話|榎本神父

2025年12月06日

自分・世界・神

 皆さんは、いまの社会が「リーダー人材を求めている」とよく聞くと思います。特に進路を考え始めると、「主体性」「発信力」「リーダーシップ」といったキーワードが目につきますよね。でも、その情報は誰が発信しているのでしょうか。ここで確認しておきたいのは、「すべての情報は発信者に有益なもの」ということ。

 もちろん、リーダーとして人を導く力は大切です。しかし「リーダーシップは誰でも身につけられる技術だ」という言葉をそのまま信じてはいけません。スキルの習得には一人ひとり固有の限界がるし、そもそも全員が同じ役割を担う必要はありません。たとえ社会が「全員、リーダーになれ」と呼びかけているとしても、あなたがリーダーになるべきかどうかは、あなた自身の召命にかかっています。

 大事なのは、「自分と世界の関係」だけを見て、神さまの視点を置き去りにしないこと。具体的には、「自分はどんな場で、どんな役割を果たすとき生き生きするのか」「誰かの幸せに貢献したとき何を感じるのか」「自分の周りにはどんな協力者がいるのか」といった問いの中に、神さまのメッセージ、つまり召命のヒントが隠れています。

 召命を見つける方法は、実はとてもシンプル。神の呼びかけに耳を傾け、世界の必要に目を留め、自分自身の内なる声を聴く。その三つが重なるところに、皆さん一人ひとりの召命があります。この先も、あなたの成長と世界の変化が、あなたの召命を日々変えていくことでしょう。何度見失っても、何度でも見つけ出してください。必ず幸せになります。

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